呼吸によって取り込んだ酸素と体内から廃棄するガスを交換するのは、肺胞という小さな器官。これを取り巻く肺血管がきわめて細いため、ここにウイルスが侵入すると免疫細胞が届かない。そんな場所に入ってウイルスを破壊処分するのが、グルタチオンペル・オキシダーゼという体内酵素である。
肺胞マクロファージが働けない
体内の免疫細胞のなかで、有名なのがマクロファージ。通常の大きさは25ミクロン(µm)ほどだが、肺胞に侵入したウイルスに対しては絵図の「肺胞マクロファージ」が対応する。大きさは通常の半分ほどだが、肺胞の異物やウイルスを貪食して廃棄物を気管支に放出する。肺胞血管はマクロファージが通過すると拡張するが、肺のウイルス濃度が高くなったり血小板や血栓が増えてくると、血管は膨張率が小さくなって肺胞マクロファージが動きにくくなる。
初期症状なら自宅療養が必須
コロナ感染した患者の病状プロセスを、以下のようにチェックし区分してみた。
【軽 症】味覚が喪失、咳が激しく38度以上の発熱。ウイルスが喉粘膜や気管に侵入して増殖を開始した時期で、自宅療養が必要。
【中等症1】呼吸困難、激しい咳と発熱。気管から気管支にウイルス拡散して増殖を開始している状態で、自宅療養を勧められる。
【中等症2】激しい咳、発熱、酸素吸入が必要。ウイルスが肺胞に拡散して細胞や血管細胞で増殖しだした。入院加療。
【重 症】人工呼吸器ECMOが必要。肺胞血管に血小板が集まって血栓が増え、ガス交換ができなくなって意識消失する。集中治療室に移送。
【軽 症】味覚が喪失、咳が激しく38度以上の発熱。ウイルスが喉粘膜や気管に侵入して増殖を開始した時期で、自宅療養が必要。
【中等症1】呼吸困難、激しい咳と発熱。気管から気管支にウイルス拡散して増殖を開始している状態で、自宅療養を勧められる。
【中等症2】激しい咳、発熱、酸素吸入が必要。ウイルスが肺胞に拡散して細胞や血管細胞で増殖しだした。入院加療。
【重 症】人工呼吸器ECMOが必要。肺胞血管に血小板が集まって血栓が増え、ガス交換ができなくなって意識消失する。集中治療室に移送。
免疫に代わって活躍するのが体内酵素
酵素を知るうえで、引き合いに出されるのが大根。大根には多種多様な酵素が含まれていて、その触媒効果でウイルスや細菌を阻害して、瑞々しさと鮮度を保つ。人体も同様に、酵素が活性化することで若さと健康を保ち、ウイルスに負けない身体を維持することができる。
コロナに打ち勝つ機能を取り戻す
酵素はアミノ酸とミネラルの結合体で、以下の体内反応を担う。
➊食物の消化と吸収
➋臓器細胞への配分と輸送
➌代謝と機能の維持
➍抗酸化、抗菌、抗ウイルス
➎分解と排泄
➊食物の消化と吸収
➋臓器細胞への配分と輸送
➌代謝と機能の維持
➍抗酸化、抗菌、抗ウイルス
➎分解と排泄
グルタチオンペル・オキシダーゼ
生体にはもとより、グルタチオンペル・オキシダーゼという酵素が備わっている。この酵素は微量元素セレンとアミノ酸(システイン)の結合体で、セレン酵素と呼ばれている。肺胞のウイルスを触媒によって破壊し、残渣の過酸化物質(活性酸素種/ROS)を水とアルコールに分解する。
後遺症は肺胞に残った過酸化物質
陰性になっても、いわゆる「コロナ後遺症」が残って患者を苦しめる。この原因は、肺胞に残された過酸化物質の仕業である。肺胞に残された残渣を取り除くのは、やはりグルタチオンペル・オキシダーゼ(セレン酵素)。