ウイルスを運ぶ渡り鳥

渡り鳥とウイルスMigratory bird

シベリアでは地球温暖化の影響で永久凍土が溶解。封じ込められていた太古の昆虫や小動物が解け出した。屍の中で目覚めたウイルスが環境に放出され、付近住民が感染するという恐るべき事態に。この地で産卵する渡り鳥も、ウイルスが付着した昆虫を食べながらヒナを育て、そして越冬のため日本に飛ぶ。
ロシア福祉監督庁のポポワ長官は21年2月20日、致死率が高い高病原性の鳥インフルエンザ・ウイルス「H5N8型」のトリからヒトへの感染がロシア国内で確認され、世界保健機関に報告したと発表した。
自宅療養ができればコロナウイルスは恐くない

シベリアから飛来してくる渡り鳥

北方の繁殖地(シベリアなど)から秋に日本に渡ってきて、春に北方に帰っていくシギ、チドリ、カリ、カモ、マガモ、ツグミ、花鶏(あとり)、鶸(ひわ)、ジョウビタキ、ユリカモメ、オオハクチョウ、マナヅル、オオワシなどがいる。
マガモ

洞窟から新種コロナウイルスを発見

山東大学のウェイフェン・シー氏らは19年11月に、森林に生息するチビキクガシラコウモリから糞尿やだ液を採取し検査した。その結果、新型コロナウイルスに類似するウイルス4種を含む24種のウイルスゲノムを収集、この研究結果を生物学誌・Cellに発表。
自宅療養ができればコロナウイルスは恐くない
同じく、中国の研究チームから21年6月12日に「雲南省の洞窟に棲むコウモリから新たなコロナウイルスを複数発見した」との発表があった。同サイトによると、新型コロナウイルスと遺伝的に2番目に近い可能性があるウイルスも含まれるとしている。研究チームによると、今度の調査で「コウモリ体内に多数のウイルスが存在しており、そのうちの数種類が人間に感染する可能性がある」と調査結果をまとめた。

日本の洞窟で新型コロナ種を発見

新型コロナウイルスが感染流行する前に、類似のウイルスが発見されていた。東京大学大学院農学生命科学研究科チームがカンボジアの研究チームと共同で調査し、13年に「岩手県の洞窟で捕獲したコキクガシラコウモリから近縁種が見つかった」と報告している。
コロナウイルス005

カンボジア洞窟で新型コロナ発見

カンボジアでは10年に首都・プノンペンにあるパスツール研究所チームが「カンボジア北部で捕獲された2匹のシャメルキクガシラコウモリから新型コロナ近縁種が見つかっていた」と報告した。これら「コロナウイルスはキクガシラコウモリ由来のウイルスだという可能性が非常に高い」と大手学術誌・Natureに投稿している。

昆虫を捕食するコウモリ

コウモリは昆虫を好んで食べる。太古の時代に形成された洞窟に棲むキクガシラコウモリの糞尿や唾液から、新型コロナウイルスに類似したウイルスが検出された。食物が限られた洞窟でウイルスとコウモリは共生共存の関係を数億年も保ち続けてきた。
キクガシラコウモリ

洞窟でウイルスと共存共生する生物

ウイルスは洞窟が形成され始めたカンブリア紀(7億年前)から洞窟を支配し、つづいて地面には昆虫が出現。そして天井をコウモリが占領し岩壁はツバメが勝ち取った。地面を占領したのは、コウモリやツバメの糞をエサにしながら繁殖するゴキブリである。
洞窟ゴキブリ
夜行性で食欲旺盛なコウモリは、夜は洞窟から出て外で昆虫を捕食し、明るくなると洞窟に帰って休息する。ツバメは昼に出て夜間は休む。このどちらも体内に数種類のウイルスを取り込んでいるが、抗体が作用しているから感染被害にあうことはない。ところが、自然環境にまき散らした糞尿には無数のウイルスが混ざっているので、洞窟付近から日本に飛来する渡り鳥が、ウイルスを持って帰る可能性を否定できない。

南方から日本に帰ってくる渡り鳥

南方の越冬地(マレーシアなど)に秋に渡って、春に日本に帰ってくる渡り鳥。ツバメ、カッコウ、ホトトギス、アマサギ、クロツグミ、オオルリ、キビタキ、ハチクマ、サシバ、ブッポウソウ、コウノトリ、シギなどがいる。
ツバメ

洞窟で暮らすツバメから高級食材

中国料理の高級食材・ツバメの巣が採れるのは、ボルネオ(マレーシア)ゴマントン洞窟。ここは多くのコウモリがいて、糞をエサとして繁殖するゴキブリも無数にいることからゴキブリ洞窟と呼ばれる。アナツバメはここで唾液を固めて繁殖のために巣を作る。
ツバメの巣
ツバメの巣は乾燥して洞窟から香港に、ここで土産物として売られたり華僑ルートで世界中に流されたり、中国人バイヤーによって買い付けられ、中国各地の商場で販売される。過去に度々、香港からインフルエンザのパンデミックが始まったが、新型コロナウイルス(武漢商場が発生源といわれる)もこのルートで拡散した可能性がある。
リンク
コロナウイルス発生源