ニパウイルスを媒介

コロナの次はニパウイルスNipah virus


コロナの次は二パ・ウイルスかもしれない。強烈なウイルスがベールを脱いだ。マレーシアが感染源のこのウイルスは、体幅2メートルを超える怪獣・オオコウモリが媒介するが、これがパンデミックになると人類は破滅する。ウイルス戦争の最終兵器としても、世界が注目。

感染死亡率 75%の二パウイルス

ニパウイルス感染地図
コロナ変異株で大被害を出したインドでは、今年6月下旬に国立ウイルス研究所が「最も危険とされるニパ・ウイルスがマハーラーシュトラ州のコウモリから発見された」と発表し、論文を学術誌「感染と公衆衛生ジャーナル」に投稿している。

ニパ・ウイルスは、体幅最大2メートルのオオコウモリの糞尿がついた果実を食べることから感染すると言われ、世界保健機関(WHO)も世界で最も危険なウイルスに指定している。また、EUで権威をもつオランダの医療特殊法人アクセス財団も、21年1月下旬に「次のパンデミックのリスクは、感染死亡率が最大で75%とされるニパ・ウイルスの感染爆発である」と警告を発した。
ウイルスの感染死亡率

ニパウイルスが徐々に拡大

オオコウモリが媒介二ぺ・ウイルス
ニパウイルスの最初の感染例は99年、マレーシアのニパ川沿いで生計を立てていた養豚業者だった。森林開発によって追いやられた オオコウモリの多くが養豚場の近くの洞窟に棲みつき、夜になるとマンゴーなどの果樹をエサにするようになっていた。

彼らへの感染は「オオコウモリの尿が付着したナツメヤシの実を食べた豚と接触した」ことが原因だとされている。つまり、オオコウモリ→飼育豚→飼育員接触→家族および関係者という経路で感染者が250人以上にものぼり、その後も、インド、バングラデシュを中心に12ヶ所で感染が報告され、18~20年にかけてさらに感染拡大している。

ニパウイルスはこんな症状

ニパウイルス インド
ニパウイルスに感染すると、潜伏期間4~7日で頭痛や発熱、嘔吐、筋肉痛、倦怠感、悪心などの症状が現れる。中等症になると、風邪と同じように、喉の痛みや激しく咳込んで意識が遠のいたり痙攣(けいれん)や痙攀(まひ)を繰り返す。
続いて脳炎や神経症を発症し、重症化すると、一気に肺胞にウイルスが広がり、呼吸不全を起こして2~3日で危篤状態に至る。

ニパ・ワクチンは未完成

ロシアのガマレヤ記念国立疫学・微生物学研究センターのアルトシュテイン博士はオオコウモリの繁殖力から考えて「現時点で大流行する可能性は低い」としているが、ヒトからヒトへの感染速度が高まれば新型コロナと同じように一気にパンデミックに膨らむ可能性が指摘されている。
現時点ではワクチンも未完成だし治療薬もない。加えて、新型コロナと同じく無症状者から感染が広がる可能性が高い。

ニパウイルスに世界が抱く恐怖

世界が懸念しているのは、このウイルスを基に最新技術で感染速度を高めることである。一昨年12月に、新型コロナウイルス漏出が噂されている武漢微生物研究所の技術員たちが、シンガポールで開催されたニパ・ウイルス研究会に出席していた。

その意図は定かではないが、国際テロやウイルス戦争を目的とした、感染力が飛躍的に高いスーパー・ニパウイルスが、新型コロナのすぐ後で、出現しないことを祈るばかりである。
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ウイルスを運ぶ渡り鳥